技術士(森林部門ー林産)存続・発展について―文書ー

平成25年2月4日

 

 

 

 

技術士(森林部門―林産専門)の存続・発展について

−技術士試験受験勧誘のお願い−

    

            森林部門技術士会長  根橋達三 

    (公益社団法人 日本技術士会森林部会長)     

 

  時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。日頃より森林部門技術士の活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 ご承知のように技術士は技術士法に基づき、科学技術に関する高等の専門的応用能力を有する技術者に与えられる国家資格であり、科学技術を網羅する20の部門において、それぞれの分野で科学技術を通しての社会的貢献を果たしています。森林部門はその一つであり、林業、森林土木、林産、環境の4専門分野によって構成されています。それら4つの技術分野が総合的に機能して、日本の森林を活性化し、国土を保全し、環境を改善し、森林から得られる資源の価値を高めて、日本の林業、林産業の発展に寄与していると考えております。

現在でも、技術士(森林部門・林産)の肩書は、国内の他分野の技術者や海外の技術者と共同で仕事を進める際、こちらのレベルを評価される貴重な資格となっています。そして、文部科学省はこの技術士制度のさらなる定着・普及を図るべく、新たな取組を開始しています。(注1

 しかしながら近年技術士となるための2次試験において、専門分野として林産(2次試験では選択科目とされます。)を選択する人が非常に少なく(注2)、このままでは森林部門の林産が消滅することになります。林産は林業、森林土木、環境と相携えて日本の森林を支える一翼であり、日本の資源の活用、二酸化炭素のストック、循環利用による低炭素化社会の構築、快適な住環境の創設、紙パルプによる文化への寄与,きのこ・特用林産物による食生活の向上や地域の活性化など、極めて重要な役割を果たしている技術の分野といえます。

 森林部門における林産の専門技術分野を残すためには、技術士の2次試験において林産を専門として選択する受験者を大幅に増加させねばなりません。近年技術士法が改正されて、1次試験を免除されるのは大学においてJABEE 技術者教育コースを履修したものだけであり、技術士になるにはほとんどの人がまず1次試験から受けねばなりません。さらに1次試験が10月に、2次試験が8月に設定されているという変則性のために、4月の1次試験の申し込みから技術士になるには少なくとも2年がかかります。このような煩雑さがありますが、最近は必要回答数の2倍以上の設問から選択できるようになったり、過去に出題された問題を出題する割合を増やすなど、戸惑うことの少ない、合格のしやすい工夫もされ始めております。(注3

 林産技術が国家的レベルでその名を残しているのは、技術士の他にはあまりないと思われます。森林部門技術士の林産専門を残すために、木材利用や特用林産等に携わっておられる技術者、研究者に森林部門技術士林産専門の受験をしていただきますよう(注4)、また受験を強く勧めていただきますようお願い申し上げます。

 

1

技術士分科会の動向(文科省科学技術・学術審議会技術士分科会)

「今後の技術士制度のあり方」を議論

・産業構造や技術者と技術士制度との間でミスマッチがないか。

・技術士資格の国際的同等性や通用性をどのように考えるか。

・技術士資格がより社会において評価され、その活用を促進するために何が必要か。

 

2 受験申込者数

平成22年度  森林部門361名 うち科目―林産受験者10

平成23年度  森林部門356名 うち科目―林産受験者5

平成24年度  森林部門320名 うち科目―林産受験者4

 

3 

@ 第一次試験合格率

平成23年度 森林部門 31.6%(技術士20部門全体21.4%)

平成24年度 森林部門 61.6%(技術士20部門全体63.3%)

 

A 第二次試験合格率

平成23年度 森林部門 23.8%(技術士20部門全体16.5%)

平成24年度 森林部門 23.4%(技術士20部門全体17.8%)

 

4 森林部門技術士会 林産部会としての当面の目標

二次試験受験者申込者目標 30

 

                          連絡先

森林部門技術士会事務局 阿黒、本山

電話:03-3234-1237

E-mailshin-gi@grnk.co.jp

受験申し込みから技術士資格取得までの流れ(平成25年度の場合)

受験申し込みから技術士資格取得までの流れ(平成25年度の場合)

 

1次試験(技術士補試験)と2次試験(技術士試験)は、その内容・方法の精選・簡略化等が進められており、合格率がアップしつつあります。

各試験の内容、スケジュールは概略以下の通りです。

 

1次試験

・6月10日〜7月1日 技術士第一次試験 受験申込受付

・試験内容 基礎科目、適性科目、専門科目の3科目の筆記試験(すべて択一式)

・試験期日 平成251014日(月)

・試験地  北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、 大阪府、

広島県、香川県、福岡県及び沖縄県。

・合格発表 平成2512月 ・受験手数料 11,000

 

2次試験(平成26年度も25年度に準拠する見込みです。)

・4月10日〜5月8日 技術士第二次試験 受験申込受付

・試験内容 筆記試験(択一式及び記述式)及び口頭試験。口頭試験は、筆記試験に合格した者について行う。

・筆記試験期日 平成2584日(日)

・試験地  北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、

 広島県、香川県、福岡県及び沖縄県。

 ・口頭試験期日 平成2511月から平成261月までの1日。約20分。

 ・試験地  東京都 .・受験手数料14,000

.・合格発表 筆記試験については、平成2510月に合否を通知。口頭試験については、平成263月に筆記試験及び口頭試験の合格発表。

 

詳しくは、下記でご確認ください。

日本技術士会のホームページ http://www.engineer.or.jp/ 

       平成25年度技術士試験の概要について

http://www.engineer.or.jp/c_topics/002/attached/attach_2183_2.pdf

       平成24年度技術士試験合否決定基準(25年度もほぼ同程度になると思われます)

         http://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1648_1.pdf

       平成24年度技術士第一次試験統計(合格率)

http://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1012_2.pdf

森林部門技術士会のホームページ http://www.forest-pro.jp/

       

また下記の林産専門の技術士にメールで問い合わせていただければ、わかる範囲でお答えいたします。

綾木 光弘(元王子製紙)takeiteasy1952@yahoo.co.jp

石谷 榮次(元千葉県庁)leiai@muh.biglobe.ne.jp

喜多山 繁(元東京農工大学)kitayama331@nifty.com

柴田 直明(長野県庁)shibata-naoaki@pref.nagano.lg.jp