平成22830

林野庁長官

皆川 芳嗣 殿

森林部門技術士会 会長 根橋達三

((社)日本技術士会 森林部会長)

 

フォレスター、森林施業プランナー等の新たな人材育成における

技術士の活用促進について(要望)

 

貴職におかれましては、日頃より技術士活動につきまして、ご高配、ご指導を賜り厚くお礼申しあげます。

 さて、ご当局におかれましては、昨年12月に我が国の森林・林業を早急に再生していくための「森林・林業再生プラン」を策定され、これを具現化するため、本年6月には「森林・林業の再生に向けた改革の姿」(中間とりまとめ)を、さらに7月には「人材育成に係る中間とりまとめについて(案)」を公表されました。

これによりますと、今後の森林・林業に係る人材育成に関しましては、フォレスター、森林施業プランナー、森林作業道作設オペレーター及びグリーンマイスター等を育成することとされております。これらの者の養成・確保は、厳しい状況下にある森林・林業の再生を図る上で不可欠であり、今後に向けてその実践的な活躍を期待しているところです。

ところで、私どもは、これまで森林・林業に関する高度な専門知識と応用能力を有する森林部門技術士(国家資格)としてCPD等を通じて技術力の向上及び技術者倫理の実践に努めるとともに、全国各地で、また様々な分野で森林・林業の振興を図るための積極的な活動を行っているところです(別添参照)。

つきましては、下記事項をご勘案いただき、技術士の幅広い活用の促進について特段のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

 

 

1.  フォレスター及び森林施業プランナーへの技術士の積極的活用

今後策定される「最終とりまとめ」の内容には、森林部門技術士をフォレスター及び森林施業プランナーの指導者兼実践者(プレイングマネージャー)に位置づけ、自動的にこれらの資格取得が可能となるよう、国家資格である技術士を積極的に活用されるよう要望致します。

 

2.森林整備計画等への技術士の活用

 森林部門技術士が、市町村森林整備計画及び森林経営計画の策定の支援業務を行えるような仕組みについてご検討くださいますよう要望致します。

 

別 添

 

技術士について

技術士は、科学技術分野における専門的知識及び応用能力を有する技術者(技術士法第2条)に与えられる国家資格であり、森林部門技術士は「林業」、「森林土木」、「林産」及び「森林環境」の4つの専門分野に属し、森林・林業全般にわたる行政ニーズ、高度な技術ニーズに応えるとともに、資質や技術の向上を図っているところです。

すなわち、技術士は科学技術に関する高等な専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者であり、したがって具体的な業務に密着した技術分野の専門に関し、問題を発見し問題を解決する応用能力を有し、かつこれら専門分野に関し指導できる者であります。森林部門技術士は4つの専門分野、林業(森林計画及び管理、造林、森林の保育、林業機械、育種技術等)、森林土木(治山、地すべり、林道、作業道等調査、設計、施工、管理)林産(木材加工、木造構造物施工、パルプ、特用林産物等)、森林環境(森林生態系保全・モニタリング等森林環境管理、自然公園等の管理・計画等)でこれらの業務を行っているところであります。森林部門技術士会は、これら技術士資格者約400名から構成され、その資質の向上を図るために継続教育(CPD)を通じ技術の向上及び技術者倫理の実践にも努めているところであります。